日本に住んでいると円が強いために全くそのようなことはないですが、外国へ行くと自国の通貨よりも米ドルの信用力が高いことがよくあります。
日本人は外国の通貨や外貨建ての資産をほとんど持っていませんが、世界を見渡すとこれはまれなことで、長い目で見るとハイリスクな気がします。
図5は、変動相場制移行後のドル円です。図から判るように、円は戦後から現在に至るまで、大きなトレンドとしてはずーっと上昇しています。
その主な要因は、工業製品を大量生産してその大半を輸出し、外貨代金が円へ交換されて日本へ戻り、国内でさらに設備投資して新なた製品を輸出するという産業構造でした。おかげで円高になり、それだけで日本は外国に比べて資産を3倍にできました。
しかし近年、設備投資を海外で行う日系企業が増えています。消費国に工場を建設すれば貿易摩擦を回避できるし、少子高齢化の顕著な国内よりも、若年人口の多い海外の方が消費の増大を期待できるためです。このように戦後日本の産業構造は、重大な転換点にさしかかっているのです。
あなたは日本の政府がやっていることを見ていて、自分や家族の将来に不安を覚えたり、このままで資産保全ができるのかと心配になったことはありませんか。投資を行う上で分散投資の大切さはよく耳にしますが、これは債券、株式、預金等の金融商品の構成に関してだけではなく、円、米ドル、ユーロ等の通貨に関しても同じであると思います。これからの時代、円建て資産のみで資産を形成するのではなく、米ドル・ユーロ等の外貨資産も組み入れてこそ、よりバランスのとれた分散投資ができるのではないでしょうか。